TEAM
SHUJI.S
土木施工管理技士
西日本工業大学(36歳)
施工管理職の醍醐味は、多くの人の知識をまとめあげて一つのゴールに向かうところ。これが本当に面白いんです。施工スタッフの方々は過去の経験によってそれぞれ違った得意分野を持っていたり、経験則からその人しか知り得ない知識を持っていたりするものです。その知恵を絞りあってみんなで完成に向かいますから、言ってみればチーム戦ですね。同じベクトルを共有しながらも、違うことを考えるプレイヤーたちがそれぞれの方法論を話しあう。その中で施工管理者の仕事は全体を見渡して、品質を把握し、指示を出し、安全を担保する。こうして、みんなで造る面白みがあってこそ10年も仕事を続けてこられたのかもしれません。
とはいえ、今の仕事をしている自分の姿は全く想像できなかったものですよ。実は私はもともと商業高校からスポーツ推薦で大学の土木科に入学しました。そこの教授の紹介で東京街路に入社するという道筋を辿っています。振り返ってみると恩師は自分をよくみていたのだと感じます。学生時代にスポーツでキャプテンを務め、アルバイトでの接客にやり甲斐を得ていた自分は基本的に人が好きだったんです。だから、こうしてチームで頭を働かせて現場をコントロールする仕事は適職だったのかもしれません。気質によくあっていたんでしょうね。
いまだに思い出に残っているのは、戸田市役所から受注した現場です。私が施工の責任者として自分の名前をだした工事でした。工夫して、安全に、利益を出すという目標に向けて、プレッシャーは大きかったですね。そんな規模の大きい切削工事でスピーディーさを求められる苦労があった反面、次々と出来上がっていく気持ち良さも同時に味わいました。
数えきれないほどの現場をこなした今となっては、自分の携わった道路を通ることも当たり前になりつつあります。それでもいまだに飽きがこないのは、やはり毎回のコミュニケーションがさまざまだからです。東京街路には監督が30人ほど所属し、千葉や神奈川、埼玉、東京と事業所間でも現場によって人の行き来があります。年代を超えて、施工スタッフも監督も助け合う。熟練工を頼りながら、若手は新しい知識で貢献したいと努力しています。一緒にやれるその仲間意識が嬉しいですよね。何を造っているのかはもちろんですが、大切なのは誰と造っているかですよ。